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基本は日々の徒然書きです。かなりアニメや小説の感想入ったりします。毎日更新記録復活です(は?) セイヤーズ信仰者で貴族探偵検索(まだまだ中断中)があります。訳者様や関係者の方とは一切関係ありません。 それでも良いと言う心の広い方はどうぞゆっくりしていって下さい♪
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「定めしは」
 
「運命しはかの天におわします崇高なる御方」
 
「何人たりともそれを冒す事など出来ない」
 
それが、この国の法律だった。
 
 
Epi1 GOD
 
「かったるいんですけどー」
「当たり前のことを言うな。言ったところで事態を解決すべき手段のないものは黙れ」
無茶苦茶を言われた。そんな俺の隣を行く隊長は、シュミットというファミリーネームだ。名前は知らない。知りたくないから訊かなかった。と言うか訊かなくても向こうからいろいろ喋ってこられたが、いちいち記憶していないと言うだけだ。こちらから訊かなかったのだから向こうが俺の名前を聞く権利も発生しない。それだけが好都合。
 「それにしても」
出し抜けに隊長が言った。
「この任務には果たして意味があるのだろうか?」
「…それをこの俺に聞いてどうするんです?」
そう返すと隊長は黙った。意外と頭が悪いらしい。と言うのも俺がこの隊に加わったのはほんの数日前、俺が路銀を寝ている間にどこかに無くし適当にそこらへんの旅人から拝借して、一夜を越そうと思っているところへこの隊長がやってきて(めざとく窃盗を見抜いてきたとも言う)
「お前、傭兵として俺と一緒に来ないか」
とスカウトしてきたからだ。だから当然深い事情なんて知ったもんじゃないし、ましてや隊長の任務に意味があるかないかなんて知ったこっちゃ無かった。俺は傭兵契約を一時的には結び折を見てとんずらする予定だったから気軽にその話を承諾した。
だが――――
事はそう簡単には運ばなかった。
あっという間に俺達の部隊は壊滅してしまったからだ。俺と、この隊長を除いて。
正直キツイ。あー何だよ勘弁してくれよと思う気持ちもあるが、そんなことを自分の部下総勢100人を失ったこの隊長の隣で言うのは気が引けた。この人は、もう生きていない。心臓は動き日々代謝もしているがそれだけだ。何か心の大切なものが欠けた人は、二度と生き返れない。だから、この無意味な会話も実はさっきから堂々巡りをしている。隊長の持ち前のユーモアで最悪の味付けをされているがもうこの人は駄目だ。つまりは、
「俺が放り出せば部隊全滅として全て片付く」
けれど。
「生きている人間を殺すのはやっぱ気が引けるよなあ…」
俺らしくも無くそう呟く。万人殺しの異名を持ち国を追放された極悪人がとも思う。けれど。この人は…
「俺を拾ってくれた」
ただそれだけの理由で殺すのをやめた。我ながら阿呆だとも思うがな。そして、道なき道を亡霊と旅した。
時はうつり、それから約一年後隊長は死んだ。今度こそ本当に仲間の元に帰ったのだ。結局隊長の一年はなんだったんだろう。その答えを出せないまま隊長の亡骸を埋めた高台を後に俺はまた、旅に出る。
 
神は、この地上など見ていない。きっと盤上のチェスに釘付けだ。
 
 
Epi2 WORD
とにかく、この記録媒体をお読みの皆さんは、俺の事を全く知らないと思う。当然ながら俺は生み出された存在だ。その自覚はあるしその枠をはみ出す気はない。そんな俺にも裏設定とやらがあるらしいがそれを言ってしまうと俺の存在が抹消されてしまうのでやめておく。それは賢くないだろうから。でも最悪のときは自分で自分を殺す手段として取っておこう。
 前置きが長くなったな。今は取り合えず移動手段である船の上で軽く監禁状態だから特にすることも無い。話をする環境としては時間的な問題は無くても揺れのせいで俺は最悪な気分だがそれはお前らのせいじゃないからな。
 …何から話したもんか。最初から話して止まるべきところで止まるまでだな。問題はその止まるって奴だが。俺はこんな性格で表に出る言葉は限りなく少ないらしいが中では結構考えているらしいからな。もしかしたら生い立ちだけ話して自殺するかも知らん。その時はその時だ。残念だったな。さあ、本題へいこう。俺はしがない小娘の頭の中から生み出された…ってリアルのほうはいいか。設定では時の王アーサーに尽くした騎士の長男として生まれた。今から19年前だ。母親は侍女だった。何の変哲も無い平凡な家庭に生まれたって訳だ。スキャンダルとも無縁、ただ王政はあれに荒れて、アーサーは失脚し弟エドワードがその執政を取り持つようになった。だが、国は纏まらず未だに衝突が耐えない。そんななか俺の親父が謀反の首謀者って嫌疑をかけられた。まあ物語を面白くするにはそれくらいやらないとな。親父が投獄されたため俺とお袋は立場上同じようにならないためには国を逃げ出すしかなかった。幸い、親戚筋を辿って逃亡の出立ても揃った。だが、肝心なときにお袋は親父を見捨てきれない。ここに残ると言い出した。犬死だと何度説き伏せても駄目。結局女と言う生き物はたちが悪い。俺は放っておくことにした。それが本人の幸せだと言い切っている以上何を言っても無駄だからだ。俺だけの出港式に結局誰も姿を見せずそれ以来お袋の姿も目にしていない。
 逃亡先でも当然追っ手はいた。万人殺しの異名がついたのもこの頃だ。何せ俺の手段といったら身の上を話して味方についた人ごと敵地に放り込んで自分は雲隠れだからな。味方と敵が戦う。至極当然の図だと思わないか?当人がいないだけで。自分の手は汚さずに万人殺し。まあ、その風評はたちまち広がり俺は味方の中からも命を狙われるようになった。懐柔策、隠蔽策、捏造策、詐欺、強攻策、ありとあらゆる手腕で俺は有頂天になりながら潜り抜けた。誰も追いつかない地まで逃げるつもりで。事実逃げおおせた。世界の果て、フェーゼル島まで。
 そこで、寝ているときに路銀を誰かにくすねられたと言うことにして、一文無しの弱い旅人の振りをして傭兵に加えてもらった。弱った人間を放っておけないこの隊長の気性は知っていた。そこにつけこんで部隊の中にスパイがいるという偽の情報を流し混乱させ、部隊を自滅させた俺はずっと一年間その隊長をいたぶり続けて旅をしていたと言うわけだ。全て自分と言う存在が死んだと見せかけるための芝居だ。隊長を生き残らせたのは単なる気まぐれとも言うが。
 自分でも最悪な性格構成だな。小娘も今にとんでもない事件を起こすに違いない、俺が保障する。そんな訳で俺の身の上話はコレで全部だ。意外と短いだろう?
 
言葉だけで切り抜けてきた俺は天性の詐欺師だと思う。マジで。
 
 
Epi3 And
 ついでに言うと、隊長は最後はどうやら俺の正体と作戦に気が付いていたみたいだな。気づいたところで何も出来ないほど衰弱してたけど。でも忘れないよ、あんたのあの目。憎しみと悲しみと哀れみが入り混じったそんな奇怪な目を。俺が絶対に忘れないのは敵の顔とあんたの目と三度の食事くらいだ。睡眠は忘れる。さって、今日は何するかな。いきなり敵に追われなくなったから暇で暇で…。結局最後まで話しちまったな。思わず船に乗ったが目的地が無くてねー。広い海は無限の可能性を秘めているが、俺に行ける場所はもはや雲の上にしかない。と、そんなことを考えていると
「おーい、飯だぞ坊主!」
と、下から呼びかけられた。窓の外を見ればもうすっかり夕焼けだ。おお、明日は天気が悪いな。いや、風向きしだいで船はどちらに進むか決まるか。しかたなく、三度の食事は抜かさない俺が食堂に向かうとそこには出会いたくも無い旧友がいた。能無しでいつも自分の足をひっぱり私利私欲に走る俺を毎回たしなめる馬鹿で煩い旧友が。俺の強運も昨日までのことでこれからはこの神の見放した箱庭で踊る一つの人形に成り下がるわけか…そう、うんざりと俺が頭を抱えたところで例の旧友がこっちに気が付いた。
「え?…うっそだ…ろ?お前死んだんじゃ…」
ああ、もう!この場にとどまり変に暴露されるよりましだと判断し、俺は彼の腕を強引に掻い込み自室に引きずり込みドアを閉める。そいつの首根っこを掴んで壁に押し付けて脅迫する。
「余計な真似はするなよ」
と、低く言うと
「事情を教えてくれなきゃ何が余計なのかわからないだろう?」
とやりこめられた。…こいつは誰だ?正直度肝を抜かれた。この目は知っている。この目は…俺と同じ、最悪な人間のする目だ。狡賢く抜け目の無い目。にっと笑うと子供らしい表情がこぼれたが油断は出来ない。警戒を解かないまま俺は手を離した。
「あーびっくりした。まずはお前が生きていたってことにな。お次はいきなり脅されるし。なかなか一筋縄ではなかったらしいじゃないの?お前。あの手この手で一杯汚い真似してきたみたいだしなー」
「…それだけわかっていれば俺の事情も飲み込めているんだろう」
皮肉を言ったつもりだったが毛ほどにも乗ってこない。くそっ…俺らしくも無く焦っているのがわかる。奴は淡々と余裕ぶった笑みを貼り付かせ続ける。
「その点お前は俺がここに現れたことにまず順応できていない。俺が何故このタイミングでお前の元に現れたのか、何が目的なのか、そして俺が昔の俺と違うことに正直怯えている」
「違うッ」
思わず言い返したのが裏目に出た。動揺を見破られるのには十分すぎる反応だった。目の前の笑みが深くなる。
「そうか?そう粋がるのは良いが前ががら空きだぜ」
気づいたときには俺の腹部に迫る奴の右腕だった。あのスピードでは到底かわせない。もともと肉弾戦向きじゃないんだ…我ながら情けない理由を掲げおとなしく意識を奪われてやった。
 
同時刻、大陸のエドワード王を落とすアーサーのクーデターが勃発
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虫食いりんご。嫌だ食べたくない。ではなくちょっとさぼっていたらこんなことに。いかん!!ちょびっと復活中。
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鯉幟泳ぐ空には黄砂あり。黄金の川の流れは絶えずして、しかしその主はおらず栄枯盛衰を嘆くべくもなきや。人類滅亡の日も近し。
† 遭難者の足跡 †
こんなブログに足を運んでいただけるなんて…!有難う御座います!!
少しでも楽しんでいただければ幸いです。そしてここで逢ったのも何かの縁。またのお越しをお待ちしております。
† 私の生態 †
旧変人。 新変態。 その差は計り知れない。
HN:
羽闇黎(ハヤミレイ)
性別:
女性
職業:
人間です。
趣味:
探究。
自己紹介:


BloodType/AB(二重人格キター)
発生日/紀元前400年前とかどうですか
好きな動物/黒猫。
普段の生態/隙あらばお絵かきと音楽鑑賞(特にゲーム曲)後はデータ収集と…(ブツブツ)
実は神道無念流(例えば芹沢鴨や永倉新八や桂小五郎)の血を継いでいる。





ピーター卿至上主義!!

セイヤーズを世に広めませんか…?

彼女は才能の割に知名度が低すぎます!!

ミステリーとして読んでも
萌え小説として読んでも
生き方バイブルとして読んでも
損はありません!!

まだ読んでいない方は是非騙されたと思って一読を!!






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お世話になっている素材やさんやhtml御指導いただいたサイトさん、それに非常に一方的なご贔屓サイトさんへのリンクです。お友達サイトさん含みます!
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