誰の死体の名言。

• 「サグはバベルの塔みたいに見事な仮説を組み立てるだろうよ。同じように滅びる運命のやつをね」ｐ３２・・・いきなりキャラ名でわからないと思いますが、サグとはヤードの人間で作中結構登場頻度高いにもかかわらず良い目を見てないキャラ（笑）でこの台詞、バベルの塔って着眼点がまずファンタジーでツボですが、その後に滅びる運命ってつけたのがセイヤーズらしいと思いました。バベルの塔とは昔バビロニアで神に近づく為に人間が建てた塔で、その増長（つまりエゴってことだな）を憎んだ神が言語を混乱させて仕事を失敗させたと言う旧約聖書からきています。
• 「けどあの被告はほんとにやってたんだ」「もちろんやっていたさ。それでも無罪になった以上、今の台詞は誹謗に当たる」ｐ４０・・・釈然としない気持ちはあるけどしかたがない。それをつべこべ言わずさらりと皮肉で片付けたお手並み、御見それしました。百年たった今でも世の中の矛盾は消えてませんね。
• 「狂気にえらく法則のある狂人（ハムレット）というわけか」ｐ５１・・・頭の良い犯人との知略戦は大好きです（私見）
• 「エース五枚」「だめだよ、サグ、抵抗しても無駄さ。せっかくのフルハウスじゃないか、色を添えてあげるよ」ｐ５６・・・トランプネタ。（ちなみにピーターは短編集ではダイヤのジャックのコスプレをしている）在り得ないほどの決定打。綺麗に決まりました。しかし一枚は偽造カードと解釈すると・・・（笑）
• 「人を騙すにはなるべく率直にするのが一番だというのが持論でね。ことほどさように、現代社会は開け放たれた手と素直な心に慣れていないわけだよ」ｐ６８・・・現代でもそうだよなあと思った台詞。親切そうな人が一番危ないのかもしれませんね。
• 「視野がある程度限られていると、何だって証明できるものなんだね」ｐ９８・・・全く。
• 「僕には殺したい人が五万といますよ。奥様はいかがです？」「山ほど」ｐ１６７・・・良いのか名探偵そんなこと言っちゃって。
• 「人間、仕事に関係無いことほど、こだわるものなのは知っているだろう？」ｐ２２６・・・ヲタクの基本精神（笑）